家具の基礎知識

家具の表面材

▼【プリント化粧シート】

紙の上に色んな色や、木目を印刷した化粧シート。
表面にはコーティングが施されているために紙と言えども結構強い。

ただ、塗装や樹脂製の表面材に比べると強度がかなり落ちるのは否めず、セロハンテープなどを長い時間貼ると剥がれてしまうので注意が必要。

安価な家具や組立家具の表面材として、又、少し高めの家具でも側板や、裏板にはプリント化粧紙を使用してコストダウンをはかっているものも沢山ある。

ネットショップでは天然木製としてうたっているが前面だけが天然木で側面、天板がプリントである事も多いので天然素材にこだわる方はよく確認をした方が良い。

最近のプリント化粧紙は結構リアルで、プロが見てもぱっと見たところ天然木の質感とほとんど変わらないようなものもある。

▼【EBコートシート】

電子線硬化樹脂をプリント化粧紙の表面にコーティング、したもので分子配列・分子結合が極めて強固。

耐久性、耐磨耗性、耐水性、耐擦傷性、耐汚染性に優れ、色褪せがおこりにくという優れた特性を持つ化粧シート。

油汚れも乾拭きで簡単に落ちる為、食器棚、レンジ台などのキッチン収納家具の素材としてよく使われている。

只、表面の強度は強く摩擦による小さな傷は付きにくいが素材が薄い為にとがったもので引っかいたりすれば傷が付き、下の生地が露出してしまうので注意を要する。

▼【強化プリント化粧シート】

特殊な盛り上げ印刷方法で見る角度によって微妙に変化する色・柄など、天然木に近い質感を持つ木目調のパターンを実現した、化粧紙の一種。

天然木の導管も立体的にリアルに表現されている。

プロの目でも天然木と 区別が付きにくいほど。

耐久性、耐磨耗性、耐水性、耐擦傷性、耐汚染性に優れ、色褪せがおこりにくという優れた特性を持つ化粧シート。

只、表面の強度は強く摩擦による小さな傷は付きにくいが素材が薄い為にとがったもので引っかいたりすれば傷が付き、下の生地が露出してしまうので注意を要する。

デルナチュレという商標のシートが最近よく使われている。

▼【ポリエステル化粧シート】

絵柄を印刷したチタン紙にポリエステル樹脂を塗布成型、又は、高温、高圧プレスで作成したシート。

鏡面のツヤを出したタイプや、木の風合いをリアルに表現するエンボス(凹凸)加工を施したタイプもある。

耐久性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性に極めて優れた特性がある。

▼【オレフィンシート】

燃やしてもダイオキシンなどの有害物質が発生しない、環境に配慮したエチレン系炭化水素の重合体(ポリオレフィン)を使用した化粧シートの総称。

材質としてポリプロピレンやポリエチレンが代表的。

ピアノ塗装のようにツヤが美しい光沢のシートや木目の質感をリアルに再現したシートなど色んなタイプのシートがある。

耐久性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性に極めて優れた特性がある。

▼【メラミン化粧シート】

ポリエステル化粧板の一種で プリントされた化粧版と厚みを持たせるためのボール紙のようなコアと貼り合わせたものにフェノール樹脂を含浸させ、熱圧着し、 板状にしたもの。

表面は光沢を持ち耐水性、耐候性、耐磨耗性、耐薬品性に極めて優れている。

▼【ダップ樹脂化粧板】

「ダップ」とは、「ジアリルフタレート」の略でメラミン樹脂と似た樹脂材料。印刷紙(チタン紙)をこの樹脂に浸け、鏡面板をあて、熱圧加熱し硬めて板状にしたもの。

表面は光沢を持ち、耐水性、耐候性、耐磨耗性、耐薬品性に極めて優れている。

▼【塩ビシート】

ポリ塩化ビニールシートの表面に化粧プリント印刷したもの。

耐久性、耐水性、耐熱性、耐汚染性に 極めて優れた特性がある。

耐久性の良さからデスクやテーブルの天板によく使われていたが、燃やすと有害物質が発生する為、エコロジーの面から、家具にあまり使用されないようになってきている。

▼【突き板】

木材をダイコンのカツラ剥きのように薄くスライスしたもので、MDFやフラッシュ構造合板の 表面材として使われる。

縁部分にも突き板がキレイに貼ってあれば見た目は完全に天然木!

天板に無垢材や集成材を使用するとかなりの重量になってしまうが、突き板をフラッシュ構造合板に貼り付けることで天然木の風合いの良さと、軽量化の両立ができるため、高級家具にもよく使われている。

最近人気の北欧家具にもフラッシュ構造合板に突き板を貼った仕様のものが多く見られる。

最近は種類によっては木材が貴重になってきているので自然環境保護の面でも現在の社会情勢にあった材質といえるように思える。

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