家具の基礎知識

家具の塗装

ラッカー塗装

セルロイドの原料であるニトロセルローズを主成分とした塗料を使用しています。
塗膜が薄い為木の質感を生かした仕上げにするのに適しています。速乾性に優れています。塗膜の硬度、耐摩耗性は適度にありますが、他の塗装よりは劣ります。耐候性、耐水性、耐熱性には劣り、熱いナベや水がついた食器などを長い時間乗せると白く変色する事があるので、使用上注意を要します。

アミノアルキド塗装

アミノ樹脂とアルキド樹脂を混合した塗料を使用しています。
塗膜の硬度、耐熱性、耐水性、耐摩耗性、耐油性が適度にありますが、ラッカー塗装を除く、他の塗装に比べて劣ります。耐水性、耐熱性の面ではラッカー塗装より優れているが耐候性の面ではラッカー塗装より劣ります。溶剤に有機溶剤、ホルマリンを使用するので乾燥が不十分だと健康に良くありません。

ポリウレタン塗装

ポリイソシアネートとポリエステルとの付加反応を応用した塗料を使用しています。
塗膜が非常に硬く、光沢があるグロス仕上げに向きます。耐熱性、耐水性、耐摩耗性、耐油性、耐候性、密着性に非常に優れている。

UV塗装

紫外線硬化樹脂塗料を使用しています。
紫外線を照射することで硬化し、極めて硬い塗膜が得られる。耐熱性、耐水性、耐摩耗性、耐油性、耐候性、密着性に極めて優れている。有害物質が一切発生せず、健康にも環境にもたいへん良い塗装。

ポリエステル樹脂塗装

ポリエステル樹脂を主成分とした塗料を使用しています。
厚塗りができ、光沢があるグロス仕上げに向きます。耐熱性、耐水性、耐摩耗性、耐油性、耐候性にたいへん優れています。付着性や衝撃性は若干弱く、強い衝撃を与えると割れることがあります。ピアノなどにも使われます。

エナメル塗装

不透明顔料着色剤を使用した塗装しています。
下地を完全に隠す塗装で、MDFなどにカラー塗装を施す時使われることが多いです。塗装を厚塗りして磨き加工をする事で美しい光沢仕上げにすることもできます。耐熱性、耐水性、耐摩耗性、耐油性、耐候性、密着性に大変優れている。

オイルステイン塗装

油性の染料をボイル油、乾性油に溶かした半透明の塗料です。
木材保護と紫外線保護効果を発揮します。木材に浸透し塗膜を形成しないので木の風合い、木目を際立たせる仕上げに適します。若干の耐水性はあるが、塗膜を形成しない為、耐摩耗性、耐熱性などの降下は得られない。定期的にオイルを塗るなど、メンテナンスする必要があります。

焼付粉体塗装

有機溶剤や水などの溶媒を用いず、粉末状（固体）の塗料を空気中に飛散させし、付着させ熱で溶融させる塗装塗装膜厚が厚く塗膜が頑丈なため、耐摩耗性、耐久性、耐候性に優れている。家具ではロートアイアンなどの金属部分に使われる。

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